【2-2】入学生が知っているべき”シラバス”

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シラバスとは

シラバスとは、高専で実施される全ての授業ごとに作成される、

  • 授業の到達目標
  • 授業の実施時期・対象学年・教科書・時限数
  • 各回の講義における授業内容
  • 評価割合

等を示した紙のことです。

いわばシラバスは「授業に関する教師と生徒の約束事項」を書いた紙であり、もし教師がシラバスに反していれば、文句を言う権利があります。また、大学に編入すればこのシラバスに基づいて、大学で単位が認定されます。

高専WEBシラバスでは、全国の高専のシラバスを見ることが可能です。

シラバスの見方

例として、令和2年度の函館高専さんの基礎数学Ⅰという科目のシラバスを見てみます。

見てもらうと、上から順に、

  • 科目基礎情報
  • 目的・到達目標、ルーブリック
  • 学科の到達目標項目との関係
  • 教育方法等
  • 授業計画
  • 評価割合

こんな項目で書かれています。一つ一つ解説していきます。

科目基礎情報

ここでは、単位の種類、授業時間数と使う教科書を押さえておくとよいと思います。

単位の種類は、「必修」と「選択」があります。

学校によりますが、私の通う高専では「必修」の単位を落としている場合、仮に卒業単位数を満たしていても卒業ができませんが、「選択」を落としていても、別の授業で卒業単位数を満たしていれば、卒業することが可能です。

※卒業要件は単位数だけではない場合もあります。

授業時間数は、45分の授業が週に何コマあるかを示したものです。基本的に高専の授業は90分単位で行われるため、上の例の場合、90分×2/週の授業行われます。

週45分授業が1年間(30週)行われることで、1単位となります。上の例の場合、「45分×4/週」「前期のみ(15週)」なので、2単位が認められているということです。

目的・到達目標、ルーブリック

上の方に授業目標が書いてあります。その下にルーブリックが書いてあります。

ルーブリックの「理想的な到達レベルの目安」が、SやA評価をもらった人の到達レベル、「標準的な到達レベルの目安」が、単位を認定された人の到達レベルの目安が書いてあります。

学科の到達目標項目との関係

学校が、学習・教育目標っていうものを定めています。この授業が、その目標のどこに対応しているのかが書かれています。

教育方法等

授業の概要→この授業で勉強することと、他の科目との関係性が書かれています。

授業形式→「講義形式」「実習形式」など、その授業の形態が書かれています。

評価方法→テストで成績を決めるのか、レポートを課すのかなどが書いてあります。発表をした人に加点をするとかも書いてあったりします。

注意点→形式的な記述が多いです。

授業計画

各回の授業内容と、到達目標が書かれています。

授業の大まかな見通しをつけるときに見たりしています。

また、これを見れば大まかなテスト範囲は予想できます。

評価割合

評価割合は、成績の決め方を具体的に書いたものです。

上の例の場合、試験80%課題等20%の評価割合が採用されています。

実験実習科目だと試験0%レポート100%、プログラミングとかの手を動かすタイプの授業は試験50%課題等50%、数学や物理などの座学は、試験70%課題等30%試験80%課題等20%の評価割合が採用されている場合が多いです。

試験で70点を取った人が、課題を全部出していて、課題が完璧にできていた場合で、試験80%課題20%の評価割合が採用されている場合、

成績=(試験の点)×(試験の割合)+(課題点)×(課題の割合)=70×0.8+100×0.2=76点

となり、最終評価は76点で、標語は「B」となります。

評価割合が「試験70%課題等30%」の評価割合の場合、課題を一切出さなかった場合、単位をもらうためにはテストで86点以上取る必要があります。課題はさぼらずにしっかり出しましょう。

先生によっては、授業出席点や、授業態度点を評価割合に混ぜてくる場合もあります。

まとめ

シラバスは、先生と学生の約束事が書かれた紙です。シラバスを適切に理解して、自分の勉強計画を立てるなど、有利になるように活用してください。

どうでもいいですが、シラバスって実は法的に明示が義務付けられている物だったりします。

第十七条の三 高等専門学校は、学生に対して、授業の方法及び内容並びに一年間の授業の計画をあらかじめ明示するものとする。

高等専門学校設置基準(昭和三十六年文部省令第二十三号)

授業内容や、学生の単位認定にかかる基準がしっかりと明示されることは、学生のれっきとした権利なので、しっかりと権利を主張するようにしてください。

高専に入学する人へ
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高専情報局

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