中学生の息子/娘が「高専に行く」と言い出したら
「高専に行きたい」
何の前兆もなく、中3の僕が6月くらいに親に言った一言です。
そこから、中学の先生とも話し合い、高専を受験することになり、今に至っています。
特に親に高専を反対されることはなかったです。当時からプログラミングこそやっていなかったものの、PCにどっぷりつかっていたので、高専でも大丈夫だろうとでも思われていたのかもしれません。
もし、皆様のお子様が、「高専に行く」と言い出したら、親は何と言ったらよいのでしょうか?
ぜひ、以下の4つを今のお子様でチェックしてみてください。もし、4つの内に一つでも当てはまらない場合、当てはまるように助言をしていただくと良いと思います。
□ 普段から自発的に勉強している。
□ 数学・理科・技術に興味がある。
□ 共同生活に適応できる。
□ 受験する学校・学科の選択理由が適切である。
詳しく説明していきます。
①自発的に勉強している
高専には塾はありません。※高専生用の塾があるにはありますが、メジャーではないです
つまり、高専の勉強内容を塾で復習することはないですし、塾で定期テスト対策を組んでくれるなんてことはないです。
そのため、高専生には自発的に勉強する力が必要です。
・塾の先生が言った通りの勉強をしている
・学校の勉強の復習は塾に任せている
これらの項目に当てはまっていて、高専入学後に自分の勉強方法を見つけられなかった場合、高専で成績が伸び悩むことになると思います。
高専の勉強は1年次からの積み上げが前提のカリキュラム構成がされています。特に低学年で躓くと高学年になったときに苦労します。
高専は大学と同じです。大学にも、大学生用の塾があるようですが、メジャーではないと思います。それと同じ感覚です。
②数学・理科・技術に興味がある
間違えてほしくないのは、数学、理科・技術などの理系科目の成績が高い必要はないということです。
高専に入学する人に求められるのは、中学における成績の高さではなく、高専の5年間に詰め込まれた理系科目を根気強く学んでいく力だと思っています。つまり、数学や工学分野への興味の高さが求められるということです。
中学の勉強は「公式の暗記」で何とかなっていたかもしれませんが、高専ではそういう訳にはいきません。高専では「最低限の公式の暗記」と「公式の数学的/工学的応用」の力が求められます。
高専の勉強は興味がないとやってられませんし、興味がないとテストで点が取れなくなります。
中学校の勉強とは本質が違うということに注意してほしいと思います。
大事な事なので、もう一度言わせてください。中学で毎年学年1位を取っていたとしても、高専入学したら、その実績は全く役に立ちません。もちろん、中学でトップクラスの成績を取ってきた人が、高専でも優秀な成績を収めている場合もありますが、成績が振るわない人も結構いるということです。
※いくら成績が高くなくても良いと言っても、高専の入試を突破する程度の成績は必要です。
※高専の友人で、入試の成績や入学直後の模試の結果までは優秀な成績だったのに、その後の定期試験の成績が振るわなかった人って、意外とたくさんいます。
③共同生活に適応できる
これは寮生活に限定されますが、共同生活への適応があるかどうかも重要なポイントです。特に、全寮制が敷かれている場合、重要です。
寮では必然的に、階のメンバーとの物理的な距離が近いですし、食堂やお風呂の時間が決まっている生活って意外とストレスになったりします。
誰かと共に生活するということが、”苦手”程度であれば慣れの問題だと思いますが、共同生活を拒絶をするほどの場合は、高専への進学を考え直した方が良いと思います。
④受験する学校・学科の選択理由が適切である
受験する学校・学科を選んだ理由が、”明確”でない場合、注意が必要だと思います。
特に、学科選択は、自分の5年間の人生を決める重要な選択です。※マジです
「自分が将来やりたいことや自分の興味のある工学分野」と「高専の学科における学習分野」を突き合わせて、自分が納得できるような学科選択をしてほしいと思います。
「高専に行きたい」と言われたら親が言うべきこと
まずは、上に書いた4つに当てはまるかをチェックしてみてください。
そのうえで、足りていない項目があれば、項目を満たすよう助言をしていただきたいと思います。
4つの項目に完璧に当てはまっている必要はないですが、「共通テストを受けたくない」とか「就職が簡単そう」とかの安易な気持ちで高専を選ぶと100%後悔することになると思います。
そして、私の息子/娘は高専に行っても大丈夫だと思ったら、できるだけ早く高専の過去問を購入することをお勧めします。高専の入試は少し特殊なので、できるだけ早めに過去問に慣れておく必要があります。
また、各高専で進学説明会や高専祭などの催しが開催されているので、それらにも参加して「高専」というものを体で感じ取ると良いと思います。
通信環境・PCについて
※ここからは高専入学後の話となります。
通信環境
寮によっても違うので一概には言えませんが、基本的に寮のWi-Fiは通信速度が遅いです。
寮に入る場合、ポケットWi-Fiの購入か、スマホの通信量を増やすなどの対策をしておくことをお勧めします。
学校によってはオンラインで課題を提出したりする場合があるため通信環境は必須ですし、成績に関わる部分なので、通信環境を寮に依存することは控えた方が無難だと思います。
PC
高専では1年次からPCを持っていた方が良いです。
最悪2年次からでも遅くはないですが、不自由なく課題をこなすためにも、1年次から各自でPCを持っていた方が良いと思います。
PCは、第8世代以降のintel core i5 以上を積んでいて、メモリが8GB以上、SSDが256GB、無線LANに対応している程度のスペックを積んでいる物があればよいと思います。おおよそ、6万円から13万円程度あれば購入できます。
私が勝手に推奨しているPCは、
・マイクロソフト Surface Pro 7
・Lenovo IdeaPad S540
の2つです。Surfaceの方が13万程度、IdeaPadの方は6万程度で購入することが可能です。
Microsoft Officeは高専入学後に学校から付与されるため、わざわざOfficeを購入したり、Office付きのPCを購入する必要はありません。
詳しくは、こちらでも解説しています。
就職・進学について
高専を卒業した人は、おおよそ、就職と進学に半々に分かれます。
例外はありますが、成績上位50%の人が大学に進学して、それ以外の人が就職をする傾向にあります。
編入学試験も決して簡単なわけではないので、大学を狙う場合高専における5年間、しっかりと勉強をする必要があります。
留年・退学
高専に入学した人の5人に1人は留年・中退を経験します。
この数字は、4年制大学における4年卒業率と大体同じなので、高専の留年率が異常に高いわけではないです。
【留年・中退】高専生の進路変更についてでも解説していますが、高専を卒業できそうにない場合、できる限り早く進路変更を検討する必要があります。
高専への入学をした後も、本人に適した道に親御様が導いていただきたいと思います。
(※ここで”適した道”というのは高専卒業に限りません。)
最後に
「高専」という環境は良い意味でも悪い意味でも特殊な環境です。
特殊さが本人に取って良い特殊さになるか悪い特殊さになるか見極めたうえで、高専の受験を検討してほしいと思います。
私なんかに聞くより、高専の先生や、中学の先生に聞いた方が良いとは思いますが、もし、聞きたいことがあれば、お問い合わせフォームorTwitterDMから質問をお受けしています。お気軽にご利用ください。
コメント