【1-2】高専と高校の違いって何?

スポンサーリンク

高専と高校の違い

高専と高校の違いについて、何点かの項目に分けて考えていきたいと思います。

ただしここでいう”高校”とは、一般的な進学校を指します。

また、筆者の高専に関する記述であり、全国の高専がこうであるということは保証しかねます。

勉強内容

高校では、「大学入学共通テスト」を念頭に置いたカリキュラムが組まれているはずです。また、2年時に理系・文系の選択をするにせよ、体育や美術などの科目を含めて様々な科目がまんべんの無いようにカリキュラムが構成されています。

高専の場合は、「5年後に即戦力の技術者になる」ということが念頭に置かれています。そのため、音楽や美術、体育などの科目や、文系科目は1~3年次に最低限の構成となっており、数学や英語、専門科目が多く組み込まれるようにカリキュラムが構成されています。

自由度

何をもって自由というのかわかりませんが、高専では、たいていのことが学生にゆだねられています。これは、一般的な高校とは大きく異なる点だと思います。

高校に進学した友達と話していて、特に高専はここが違うなぁと思ったことは、スマホの取り扱いです。

高校だとスマホは休み時間でさえ使ってはいけない場合もあるらしいですが、高専の場合は基本的にそういったことはないです。

部活動

ここはあまり高専と高校で変わった点はないです。

高専の1~3年次は、高校生の大会に出ることもできますし、また、高専には高専だけが出場できる高専独自の大会も存在します。

余談ですが、「高専独自」の大会というのは、全国にある57校の高専で競う大会を指します。そのため、全国を8個程度に分けた地区大会と、全国大会しかありません。変な話、初戦が地区大会なので、高校生に「俺東海大会(初戦)出たんだぜ」っていばれます(は?)

留年のしやすさ

あっっっとうてきに、高専生の方が留年します。

しかし、それは高校生と高専生を比較した場合の話です。高専生と大学生を比較すれば、高専の留年率が高すぎるなんてことはありません。

沼津高専の高専だより116号の校長のあいさつによれば高専の5年卒業率と大学の4年卒業率はともに約80%前後です

確かに、ほとんど留年という概念の無い高校と比べ、高専の留年率は異常かもしれません。しかし、高専に入学した80%の人はストレートに卒業しています。普通に授業に欠席せず、普通に勉強をしている人は卒業できます。

進路

高校と高専の修業年数が異なるので簡単に比較はできませんが、令和元年の高校生卒業生に占める就職者の割合は約20%です。それに対して、高専の進学率は約40%で、就職率は約60%です。

高専の方が就職率が高いですね。

ただし、高校生の大学・学部進学率は51%程度です。つまり、学部進学者と就職者ではない30%程度の人は短大や専門学校などに進学したり、浪人しているということになります。そう考えると、高専の就職率が異常に高いわけではないということになります。

高専といえば「寮」という印象を持っている人もいるかもしれません。技術者に求められる、協調性を養う目的や、リーダーシップ・フォローワーシップを養う目的で、多くの高専には寮が併設されています。

一方多くの高校に寮は設置されていません。

学校の区分

高校は、中等教育機関で、高専は高等教育機関です。

この区分の違いは具体的にどのように違うのかわからないと思う人もいると思いますが、大きな違いは2つあると思います。

1つは、学習内容の差です。学校基本法における高等学校の目標の一部を引用すると、

個性に応じて将来の進路を決定させ、一般的な教養を高め、専門的な技能に習熟させること

学校基本法42条の2

とあります。つまり高校はあくまで、一般的な(言い換えると総合的な)教養を養うことを目的としています。

一方高専は、

高等専門学校は、深く専門の学芸を教授し、職業に必要な能力を育成することを目的とする。

学校教育法第105条

とあり、高専は、「職業に必要な能力」を養うことを目的にしているとわかります。

つまり、高校は総合的、高専は専門的な学習をするという点に違いがあります。

2つ目は「先生」の違いです。

高校の先生は、高等学校教諭免許状を持っていますが、ほとんどの高専の先生は、いわゆる教員免許を持っていません。

これは高専が大学と同様に高等教育機関であるがためで、高専の先生は教員免許こそ持っていないものの、基本的に修士・博士号を持っています。

まとめ

まとめると高専と高校の違いはこんな感じです。

内容高校高専
勉強内容「大学入学共通テスト」を念頭「5年後に即戦力の技術者になる」を念頭
自由度高専に比べ不自由高校に比べ自由
部活変わらない変わらない
留年ほとんどしないクラスの5人に1人が留年・退学を体験
進路50%大学進学
50%就職含むその他
40%大学進学
60%就職
一般にない原則設置されている
学校の区分中等教育機関高等教育機関

一概に「高校が良い」とも「高専が良い」とも言えません。しかし、高専を選ぶということは、高校生に比べて3年ほど早く「自分の専門分野」を選ぶということです。

選ぶというと聞こえがいいかもしれません、言いかえると、自分の専門を3年も早く限定するということです。

これらのことを考慮したうえで、高校と高専の選択をしてほしいと思います

コメント

タイトルとURLをコピーしました